大沢アンプの歪測定

ラジオ技術2001年7月号p38   
「最終版 定電流出力アンプの製作」
大沢 久司 氏             
のアンプを自作し、その歪率を測定しました。

信号源:

 efuさんのWGにより、500Hz(499Hz) 0dBと、1kHz(997Hz) 0dBの正弦波の.wavファイルを作り、CDRに焼いた(PleXWriter 24/10/40A 4倍速) 。
 これを、CDP-R3  ->  NPCのSM5865CM DAC評価ボード(ラ技2001年3,4および7,8月号参照) -> ATT -> 入力トランス(WE-175A)に通した。

歪測定:

 アイドル電流は約100mAとし、8Ωの抵抗を負荷とした。抵抗の両端から10kΩのATTを介してPCのサウンド・ボード(RME Digi96/PST)に入力した。
 歪率(THD+N)の測定には、efuさんのWSを用いた。サンプリング周波数は96kHz、量子化レベルは24bitである。入力トランス(WE-175A)による歪を見るため、トランスの2次側におけるTHD+Nも測定した。

測定結果:

 測定結果を図に示す。アンプの出力電圧が0.7V付近に雑音歪率のローカル・ピークが見られる。
トランス2次側における雑音歪率のカーブにはこのようなローカル・ピークが見られないので、トランスによるものでは無い。
 トランス2次側における雑音歪率のカーブが出力電圧3V(8Ωの抵抗負荷の場合、アンプのゲインは約10倍であるので、入力電圧は約0.3V)より低くなるに従って大きくなっている 理由は、信号入力のレベルが下がっていくのに残留雑音の大きさがほぼ一定なので、だんだんS/Nが悪くなっていくためである。
 ローカル・ピークができる理由はいまのところ分からないが、アンプの出力スペクトラムをみると、出力電圧の大きさに拘わらず、奇数次高調波と偶数次高調波が同じ位のレベルで含まれているので、アンプの動作 と関係あるようである。